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首相の春節祝辞、台湾が歓迎 透ける「したたか外交」

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岸田文雄首相が中華圏の旧正月「春節」に合わせて発表した祝辞に台湾から歓迎の声が上がっている。過去の政権は春節祝辞を中国大陸で用いられる簡体字で発信してきたが、今年初めて台湾などで使われる繁体字や英語で発表したためだ。あえて国名や地域に言及せず、読み手が「これは自分の地元のことを言っている」と想像できるような内容になっている。

 

「春節を祝う全ての皆様、日本で活躍されている華僑・華人の皆様に、謹んで御挨拶申し上げます」

 

首相の春節を祝うメッセージは1月28日、官邸の公式サイトに掲載された。

 

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岸田文雄首相の「春節」(中国の旧正月)に向けた繁体字の祝辞(首相官邸ホームページから)

 

祝辞は、新型コロナウイルス対策をめぐる国際連携に触れ、「日本も各国にワクチンを供与するなどの国際貢献に努めてきました」と強調。「日本は、自らが苦境にあった時、温かな手を差し伸べてくれた方々への恩を忘れません」とも続けた。

 

台湾は平成23年の東日本大震災の際、多額の義援金を贈って日本を支援。一方、日本もコロナ禍の台湾にワクチンを無償提供した。繁体字の祝辞は「台湾」と明記しているわけではないが、そうした日台間の交流が読み取れる内容になっているといえる。

 

台湾からは早速、好意的な反応が寄せられ、与党の民主進歩党の王定宇立法委員(国会議員に相当)は首相官邸のツイッターに「日本と岸田内閣が平和で豊かな新年を迎えられるよう祈念しています」などと投稿し、謝意を伝えた。

 

台湾の大手紙「自由時報」(電子版)も「台湾を重視する姿勢が伺える」と報道。「明確に台湾と言及していないが、内容は台湾に合わせたものだ」などと取り上げた。

 

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春節祝辞はこれまで、中国を念頭に大陸で使う簡体字で発信されてきた。今回、首相の祝辞も簡体字のバージョンは大陸の人にとって自然な表現が使われている。

 

中台双方を意識した戦略的な対外発信は、首相が掲げる「したたかな外交」の表れともいえそうだ。

 

筆者:岡田美月(産経新聞)

 

 

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