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「対話するEV」 モビリティショーで車の未来続々

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日産自動車のEVコンセプト車「ニッサン ハイパーパンク」のイメージ

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新型コロナウイルス禍で中止となっていた車の祭典「東京モーターショー」が名称を変更し、自動車の枠を超えた「ジャパンモビリティショー」として10月26日から4年ぶりに開かれる。次世代モビリティー(移動手段)技術を体験できる娯楽性の高い多様なイベントが特徴だが、中国や欧米に比べて出遅れを指摘される電気自動車(EV)やソフトウエアを軸とする新たな車づくりで、日本勢が巻き返しへの存在感を示せるかも注目だ。

 

「日本には素晴らしい技術がたくさんある。日本発の未来を世界に発信したい。そんな思いを『ジャパン』という言葉に込めた」

 

主催する日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車会長)はショーの名称変更についてこう話す。

 

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イベントの参加企業は異業種やスタートアップ(新興企業)にも広がり、前回の192社を大幅に上回る475社超で、水上を進むドローンを手がける企業や、気球で宇宙観光を目指す企業なども登場する。〝本丸〟の自動車大手の出展内容も、ITとの融合など車の未来を展望する次世代技術がめじろ押しだ。

 

トヨタ自動車は、人工知能(AI)やネット上のデータなどとの連携で次世代EVが〝知恵〟を持つ世界観を示す。

 

トヨタ自動車が次世代EV向けに試作した運転席

 

乗員が走行中の車内から視界に入る店舗や植物を指さして車に「あれは何?」と問いかけると対話型の生成AIが、店の名前や扱う商品、植物の種類などを答え、車を止めたい場所を指さすと車が自動で駐車する。各種センサーやカメラ、音声認識ソフト、GPSなどを使い、車と周囲の街がつながる「インタラクティブ リアリティ イン モーション」と呼ぶ技術だ。既に4月ごろから米カリフォルニア州の公道で実証実験を始めており、技術の一端をショーの会場で披露する。

 

さらに四輪の独立した統合制御や、ソフトの更新により機能の追加が可能になる次世代EVならではの走りの付加価値として開発中の技術も紹介する。運転席のタッチパネルで走行モードを変えると、同じ車で高級車やラリーカーなど異なるタイプの車の走りを味わえる。ソフトの更新で、「トヨタ2000GT」など往年の名車や映画・アニメに登場する架空の車の走りの体験もできるという。

 

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トヨタは複数の次世代EVのコンセプト車を出展するが、令和8年以降の市場投入時にはこれらの技術が順次導入される見通しだ。

 

トヨタ自動車が報道陣に公開した、多数の走行モード変更を可能にする次世代EV技術の実証装置

 

次世代EVの付加価値技術では、日産自動車もAIの応用を進めている。

 

出品するクロスオーバーモデルのコンセプト車「ニッサン ハイパーパンク」は、車載カメラが撮影した車の周辺の景色の映像を、AIが所有者の好みに応じて漫画調の景色やさまざまなグラフィックパターンの景色に変換し、運転者を囲むように配置された3面ディスプレーに映し出すなど、デジタルとアートが融合する室内空間を実現。ヘッドレストのバイオセンサー付きAIが、脳波や心拍数などから乗員の気分を判断して空調や照明を自動調整する技術も搭載した。

 

25日からは、オンラインゲーム「フォートナイト」内で他の出品モデルを含めたEVコンセプト車の世界観を体験できる「Electrify the World」を公開する。

 

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日産自動車の試作車「ニッサン ハイパーツアラー」のイメージ

 

一方、ホンダは、独自の協調AIや自動走行技術を採用した2人乗りの四輪電動モビリティーの実証車「ホンダ シーアイ・エムイーブイ」を世界初公開するほか、米ゼネラルモーターズ(GM)と共同でサービス提供を計画している自動運転タクシーの車両も出展。また、回収した使用済みアクリル樹脂を再利用したEVコンセプト車なども披露し、資源の循環利用を重視した脱炭素時代の車づくりをアピールする。

 

独自の協調AIを採用した四輪電動モビリティーの実証車「ホンダ シーアイ・エムイーブイ」

 

モビリティショーは東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催され、一般公開は28日から11月5日まで。会期中に100万人規模の来場者を見込んでいる。

 

筆者:池田昇(産経新聞)

 

この記事の英文記事を読む

 

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