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【主張】中国の国防相解任 不安定化に警戒を強めよ

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中国全人代の全体会議で国務委員に選出され、宣誓する秦剛外相(当時、左)と李尚福国防相(右)=3月12日、北京の人民大会堂(共同)

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主要閣僚が相次いで公の場から姿を消し、解任される。理由も分からない。こんな「ミステリー」がまかり通る国が、国連安全保障理事会の常任理事国を務め、軍拡路線を突き進んでいる。国際社会が不安視し、警戒するのは当然である。

 

中国の李尚福国防相の解任が発表された。8月29日に北京で開かれた中国アフリカ平和安全フォーラムでの演説を最後に約2カ月、動静が不明だった。

 

解任された中国の李尚福国防相(共同)

 

外相を務めていた秦剛氏も約1カ月消息を絶った後、7月に解任されている。外交・安全保障の主要閣僚が姿を消す異常事態であるが、いずれも解任理由は明らかにされていない。

 

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中国政治の透明性欠如は今に始まった話ではないが、度が過ぎないか。李氏の後任人事も発表されておらず、米国をはじめ関係各国の国防当局は誰と対話すればよいのか分からない。

 

中国は世界2位の経済大国であると同時に、核兵器を保有する軍事大国でもある。これで責任ある国家といえるのか。

 

習近平・中国共産党総書記(国家主席)の3期目体制は2年目に入ったばかりだが、今回の事態は外相解任のケース以上に混乱している可能性がある。一体何が起きているのか。

 

李氏が党中央軍事委員会の装備発展部長を務めていたことや、今年7月に中国人民解放軍の戦略ミサイル部隊「ロケット軍」の司令官ら2人も解任されていることなどから、ロケットなどの装備調達を巡る汚職疑惑が取り沙汰されている。

 

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中国の李尚福国防相の解任などを決めた全人代常務委員会=10月24日、北京の人民大会堂(新華社=共同)

 

習政権が台湾侵攻を計画する際、ロケット軍の果たす役割は極めて大きい。台湾上陸前に軍事施設などを叩くだけでなく、台湾を支援するために接近する米空母を威嚇、阻止する役割も担う。今回の混乱が習政権の台湾政策にどんな影響を与えるのか。注視する必要がある。

 

それだけではない。大陸間弾道ミサイル(ICBM)など核ミサイルを運用するロケット軍は、膨張し続ける中国の核体制の中核をなす部門である。

 

米国防総省の報告書によると、中国の今年5月時点の運用可能な核弾頭数は500発を超え、予測を上回る速度で核戦力の増強が進んでいる。中国の核システムがいま以上に不安定化するような事態は、国際社会にとって座視できない。より一層監視し警戒を強めるべきだ。

 

 

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2023年10月27日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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