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【Tokyo Outlook】「日本」を買おう!

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Nikkei Stock Index Surpasses 40,000 for the First Time

(東証、日経平均株価が史上初めて4万円を突破)

 

 

日本から発信されるニュースでいま世界で最も注目されているのは、何といっても日本の株価が急上昇していることとその未来についてだろう。

 

実際、今月に入るとすぐに、東京証券取引所の日経平均株価が史上初めて4万円を突破した。英語ニュース・オピニオンサイト、JAPAN Forward(JF)はもちろん、このビッグニュースを報じた。上の英文(日本語訳)はその記事の見出しである。

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本紙の記事を転載した同記事では、半導体やITなどハイテク関連の株が買われ、証券業界からは日経平均株価が4万5000円に達するといった強気の予想が出ていると伝えた。

 

史上最高値を更新し、4万円台を付けた日経平均株価の午後終値=4日午後、東京都中央区(斉藤佳憲撮影)

 

先週、政府高官と意見交換した際も、日本の株価上昇が話題となった。同高官は、まだ終わりが見えないロシア・ウクライナ戦争や11月の米大統領選挙、台湾有事を含む中国の動向、さらには政治とカネの問題で支持率が低迷する岸田文雄政権の対応などについてひとしきり話したところで、このところ欧米の有力な証券関係者からの面談要請が増えていると明かした。

 

「政府として、日本の株価が上昇するというようなコメントはできないが、国民に株式への投資を促し、金融資産を増やすことを後押しする岸田政権の“新しい資本主義”の政策について、外国人に説明する機会が多くなっているのは事実だ」と話していた。

 

この2週間にJFで最も読まれた注目記事で、実に10本中3本が日本株の急上昇に関するものだった。世界が日本株に関心を寄せている事実は、記事ランキングにも表れた。

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日本株式市場を長年にわたり分析してきた英国人アナリスト、ピーター・タスカ氏による論考記事「日銀は問題を勝利に転換することができるのか」は最も読まれた記事の一つだ。同氏はその中で、「日本の(巨額な)銀行預金がようやく株式投資に向かう動きが現実味を帯びてきた。それは、米国やインドではなく日本の名を冠したものとなるだろう」と述べた。

 

本紙の矢板明夫・台北支局長が執筆した「TSMC熊本工場開所 半導体産業の人材育成に力を入れる台湾の大学」も読まれた。記事では、「産業のコメ」と呼ばれる半導体産業について「これから大きく成長する産業なのに、人材育成の面で時代のニーズに追いついていない」と話す台湾の大学関係者の声を紹介していた。日台の半導体人材交流が将来さらに加速することを予感させる内容だ。

 

熊本県菊陽町に建設された台湾積体電路製造(TSMC)の第1工場。工場の運営は同社子会社のJASMが行う=2月24日午前(共同)

 

現在の日本株価の急上昇は、米国株価の上昇に連動し、外国人投資家が中心に買っているためだ。中国人たちがいまでは中国株を売り、日本株を買う。これまで世界の投資家から魅力と映ってきた中国やロシアといった新興国は、過度な軍事への投資と地政学的リスクが高まる中、当面は、まっとうな投資対象とはならないからだ。安定した市場を探す世界の投資マネーが日本に向かうのは必然なのだろう。

 

バブル経済の崩壊から30年以上が経過して、ようやく日本に大きなチャンスがめぐってきたことは間違いない。

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日本はその好機を生かして国内産業の若返りやガバナンスの強化、効率化といった構造改革を進め、デジタルといった新たな成長分野への投資を加速させることで一層の変革を促していくことが肝要だろう。日本への投資は、日本の価値をさらに高め、未来を切り開く原動力につながる。日本の国益の観点からも、「日本」は買いなのだ。

 

JFは、世界が混迷の度を深める中、新たに創出される日本の価値を積極的に世界に発信していきたい。バブル末期に社会人となった記者(内藤)は今月で定年を迎える。ぜひ日本株を買って実践してみたい。

 

筆者:内藤泰朗(JAPAN Forward編集長)

 

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2024年3月11日付産経新聞【JAPAN Forward 日本を発信】を転載しています

 

この記事の英文記事を読む

 

 

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