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【日本のこころ】(3)伊勢神宮

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伊勢神宮

 

伊勢神宮は、単に「神宮」というのが正式な名称です。天照大御神をまつる皇大神宮(内宮=ないくう)と豊受(とようけ)大御神をまつる豊受大神宮(外宮=げくう)を中心に125の宮社が含まれ、その境内はおおむねパリ市にも相当する面積になります。ここでは皇室の弥栄と国家の平安を祈念して、1年で1500以上もの祭儀が行われています。

 

 

天照大御神ご鎮座の由来

 

かつて天照大御神は宮中でまつられていましたが、疫病の流行があり、第10代崇神天皇が大御神をより丁重にまつって災いを治めようと、大御神の象徴である神鏡を皇居からうつしました。その後、第11代垂仁天皇は、天照大御神を末永くまつるのにふさわしい地を求めて、皇女、倭姫命(やまとひめのみこと)をつかわしたのです。

 

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倭姫命は五十鈴川のほとりで神託を授かるまで、この特別な場所を探し求めて巡幸したといわれています。これが内宮の始まりです。

 

およそ1500年前の第21代雄略天皇の御代、天照大御神のまた別の神託により豊受(とようけ)大御神が丹波国(現在の京都府北部)から呼び寄せられ、現在の鎮座地にまつられました。これが外宮の始まりです。豊受大御神は神宮において天照大御神の御饌(みけ、ぎょせん=神々に奉る食物)を司る神であり、私たちには五穀豊穣(ほうじょう)をもたらし、衣食住を与えてくれる幸福の守り神でもあります。

 

 

神宮の祭り

Crown Prince Naruhito Celebrates Matsuri at Ise Jingu

 

およそ2000年前に天照大御神が伊勢の地に鎮座して以来、ずっと、神宮の神職らは祭儀を執り行い、世の中が平和であるよう祈ってきました。それらの儀式や行事は、天照大御神の直系子孫である天皇陛下ご自身の意志を受けて行われています。従って、神宮で行われている祭司は天皇の祭祀であるともいえるのです。

 

神宮の祭は3つに分類することができます。1つめは、10月の神嘗祭(かんなめさい)や6月と12月の月次祭(つきなみさい)など、毎日、あるいは毎年のように定期的に行われる祭祀です。2つめは、皇族や国家、神宮などのため、特別な機会に行われる臨時の祭祀です。そして3つめが、20年ごとに行われる遷宮となります。

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いくつかの重要な祭りには、天皇が神宮に勅使を差し遣わし、幣帛(へいはく)と呼ばれる織物を奉納します。またいくつかの祭儀においては、神楽と呼ばれる神聖な歌舞音曲が奏されます。

 

定例の祭儀は、日本人の主食であるコメの栽培周期に基づいています。一年の中でもとりわけ重要な祭りである新嘗祭では、神宮の神職らは神宮で収穫されたその年最初のコメを供え、皇孫を通じて地上世界に稲穂を授けられた天照大御神に感謝の祈りを捧げるのです。

 

新嘗祭では、天皇が手ずから育てられた初穂も神へと奉られ、さらに全国の農家らが献納した新設の稲穂も正空の内玉垣にかけられます。

 

 

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式年遷宮

 

天照大御神の神殿である正宮の敷地には、全く同じ広さの敷地が隣接しています。20年に一度、現在のものと変わらない規模の新宮が交互にこの用地に新造され、さらに殿内に安置されるご装束や神宝もまた新調されます。それらが整うと、天照大御神のご神体である御鏡(みかがみ)が神宮の神職らによって神殿に遷されます。この祭りが式年遷宮です。これは外宮や別宮でも同様に行われます。

 

第1回の式年遷宮が執り行われたのは、1300年ほど前のことです。式年遷宮の伝統は15世紀から16世紀にかけての戦国時代に一時的に中断されたことがありましたが、神宮の重要な祭儀として現代にまで受け継がれています。

 

式年遷宮は、新しい社殿に用いる最初の木をきり出す祭りを皮切りに、その8年後の御鏡の渡御に至るまで、32の諸祭・行事が行われます。

 

木は日本文化の中心をなしてきました。持続性や再利用の概念、さらには知識や技術の伝承という考え方は、建物が実際に物理的に存在することよりも重きが置かれているのです。これこそが、神宮が体現する「永続性」の本質であり、石造りの恒久的な建築物ではなく、神の住まいを建て替えてゆくことが選ばれた理由です。

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今でも、定期的に繰り返される天照大御神の御遷座を通じて、私たちは祖先の行っていた祭りと同じ祭りに関わり、相通じる精神を分かち合うことができます。式年遷宮では、世代を超えて時間も空間も始まりへと帰り、祖先の心と響き合って未来へと継承されてゆくのです。

 

式年遷宮はもうーつ、私たちの技と心を次世代へ伝承させてゆくことを可能にするという、 非常に重要な役割を果たしています。 この継承は建築技術の伝承のみならず、714種の御装束・神宝の調製に関わる1000年以上にも及ぶ美術の伝統をも維持しているのです。遷宮後は、古い御殿は解体され、その大部分の木材は日本全国のその他の神社へと譲与されるなどして再利用されます。 また正宮の屋根を支えていた棟持柱は慣例として、内宮入口にかかる宇治橋の鳥居として再利用されています。

 

出典:神社本庁

 

【日本のこころ】
第1回:神道、神、祭り、神社
第2回:神代、天岩戸、邇邇芸命
第3回:伊勢神宮

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