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【主張】聖火リレー 世界再生の一歩としたい

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東京五輪の聖火リレーは25日、福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」で1年遅れのスタートを迎える。

 

新型コロナウイルス禍の中、大会の開催に向けて日本が不退転の決意を世界に示す、意義深いイベントである。

 

開会式が行われる7月23日の夜、国立競技場の聖火台に何としても「希望の火」を灯(とも)したい。

 

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そのためにも、全国の859市区町村を巡る聖火リレーは、関係者や観衆の安全を最優先に進めなければならない。

 

聖火を無事に運ぶことは、新型コロナ禍の中で迎える東京大会の「安全、安心」を、世界に保証することにつながる。開催に懐疑的な国内世論を、歓迎ムードに変える転機にもなるだろう。

 

Jヴィレッジでの出発式典は無観客で行われ、大会組織委員会はインターネットのライブ中継での応援も勧めている。

 

しかし、聖火リレーは国民が五輪の開催を実感できる数少ないイベントだ。可能なかぎり、沿道で歓迎したい。

 

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運ぶ側と見守る側が、「3密回避」やマスクの着用、拍手による応援などを徹底すれば、121日間の日程も無事に乗り切れる。屋外である沿道での応援を、必要以上に恐れることはない。

 

前回東京五輪の聖火はアテネで採火された後、中東やアジアの11都市を巡り、米軍統治下の沖縄に運ばれた。聖火がたどったルートには、政情不安や紛争を抱えた地域もあり、火薬庫の中を縫うような行程だったという。

 

それでも聖火は各地で歓迎された。戦災からの復興を果たした東京に灯る火は、アジア各地の人々にとって「いつか自分たちの国でも」という希望でもあった。

 

コロナ禍という困難の中で行われる今回の聖火リレーも、世界に向けて新たな希望を発信することができるはずだ。

 

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東京五輪の開催は、数々の自然災害や新型コロナ禍で傷ついた世界に再生をもたらす物語の第一歩になる。

 

困難な状況の中でも、世界的なイベントを成し遂げたという日本の自信は、感染症に苦しむ世界の人々にとっても、光をもたらすはずだ。日本での聖火リレーが持つ最も大きな意味だろう。どんな向かい風にも消えない火があることを後世に語り継げるように。

 

 

2021年3月25日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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