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外国籍43%の公立小も 日本語指導必要な子供、埼玉で急増 10年で2.6倍 8割は中国・トルコ籍

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埼玉県蕨市の「日本語特別支援教室」=2022年12月(共同)

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公立の小中高校などに在籍する外国籍の児童生徒のうち、日常生活や授業に支障があり日本語指導が必要な子供の数が埼玉県で急増していることが14日、文部科学省の調査を元にした分析で分かった。全国的にも令和3年度までの約10年間で1・8倍に増えているが、埼玉県は2・6倍。中でも川口市は外国籍の児童生徒数そのものが4・5倍に増えていた。日本語指導が必要な子供は義務教育後の学習意欲も低いという全国的なデータもあり、教育現場は対応を模索している。

 

埼玉県蕨市が実施している「日本語特別支援教室」。小学1年~中学3年の外国人児童・生徒を対象に、個々のレベルに応じて3カ月をめどに日本語を指導している(蕨市提供)

 

在留外国人の子供は義務教育ではないが、「子どもの権利条約」などに基づき、希望すれば教科書の無償配布を含め日本人と同等の教育が保障されている。

 

調査は日本語指導が必要な児童生徒の受け入れ状況に関するもので約2年ごとに実施。令和3年5月時点で外国籍の児童生徒全体の4割に当たる約4万8千人に日本語指導が必要だった。

 

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人数が多い都府県は愛知、神奈川、静岡、東京、大阪の順だったが、6番目の埼玉は平成24年度の1188人から令和3年度は3133人に急増。上位5都府県の増加率が1・8~1・5倍、全国平均が1・8倍だったのに対し2・6倍だった。

 

日本語指導教室が開かれている教育施設。中国人らが集住することで知られる「芝園団地」に隣接している=埼玉県川口市(©産経新聞)

 

この調査では、市区町村別は出していないが、近年、トルコ国籍のクルド人が増加している川口市で就学中の外国籍の児童生徒数は、市教委によると今年5月現在で約2700人。平成25年の約600人から10年間で4・5倍に増えた。

 

これは市内の全児童生徒数の約6%にあたり、最も多い小学校では全児童のうち約43%を外国籍が占めるという。

 

国籍別では中国籍が68%と最多で、トルコ12%、フィリピン6%。全就学者の9割は正規の在留資格を持っているが、1割は難民認定申請中に入管施設への収容を一時的に解かれた「仮放免」中などの子供といい、ほとんどはトルコ系クルド人とみられる。

 

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仮放免中でも希望すれば学校には通え、実際に同市内では小学生の大半は就学中とみられる。ただ、中学生になると、日本語の授業についていけないなどの理由から、男子生徒を中心に不登校状態となり、そのまま父親と一緒に解体業などで働くケースもあるという。

 

8月には、市内の大型商業施設に煙幕を出す花火を投げつけて営業を妨害したとして、市内の14歳のクルド人の男子中学生が威力業務妨害容疑で川口署に逮捕された。生徒は「自分が外国人で、店で悪いことをすると自分だけ怒られる。差別されたことに腹が立った」と話したという。

 

クルド人少年が煙幕を出す花火を投げつける事件が起きた大型商業施設=埼玉県川口市(植村光貴撮影)

 

文科省の調査によると、日本国籍で日本語指導が必要な子供を含めた高校生らの中退率は令和2年度は6・7%で、高校生全体の1・0%と比較して6倍以上だった。大学や専門学校への進学率も高校生全体の73・4%に対し51・8%。中学生の高校進学率も中学生全体の99・2%に対し89・9%と、低い傾向があった。

 

川口市内では国の基準により42の公立小中学校に日本語指導教員53人が配置されているが、基準に満たない学校にも市が指導支援員を派遣。また日本語が全くできない子供のための教室を運営するほか、今年度からは特に支援が必要な子供が多い5校に支援員を増強した。

 

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市教委は「これで十分だとは現場も私たちも思っていない。日常会話しかできない子供の場合、支援が必要という報告が上がってこないケースもある。外国人保護者との間でも日本語の理解度が壁になりコミュニケーションに苦慮している」と話している。

 

 

2023年10月14日産経ニュース【「移民」と日本人】を転載しています

 

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