Superfly Performance: Photo Credit Masato Yokoyama

Superfly Performance: Photo Credit Masato Yokoyama

Superfly Performance: Photo Credit Masato Yokoyama

 

日本における本格的な野外ロックフェスの草分けとして知られる「フジロック・フェスティバル」が、参加した英国の著名ロックアーティストたちから絶賛されている。世界のほかのどこにもない「特別な場所」とまで称賛される理由は何か。英語ニュース・オピニオンサイト「JAPAN Forward」(JF)取材班が7月26日から3日間、フジロックに乗り込み、その魅力に迫った。

 

 

大自然に溶け込む

 

蒸し風呂のような東京から上越新幹線とシャトルバスを乗り継いで約3時間。到着した新潟県湯沢町、苗場スキー場の会場は、山の冷涼な空気に包まれた別世界だった。

 

鳥の鳴き声が響き渡る鬱蒼(うっそう)とした森や野原のみずみずしい緑がまぶしい。「コンクリート・ジャングル」から抜け出して、清流のせせらぎを聞きながら、高原のすがすがしい空気を吸うだけで、大自然の一部になった感覚になる。

 

思い思いのファッションに身を包んだ老若男女のカップルや家族連れ、若者たちのグループ、外国人たちがバスや車で続々と到着する。共通するのはバックパックを背負ったアウトドアスタイルだ。

 

広大な会場内に設置された13カ所ものコンサート会場を移動するには、それがベストなのだ。

 

森の小道に面した小さなステージや野原の巨大な特設野外ステージのほか、ゴンドラでしか行けない山上のステージまであった。さまざまなジャンルの音楽を自分のスタイルで楽しむのがフジロック流だ。

 

 

自由に音楽に漬かる

 

3日間のフェスは、青空ばかりではなく、大雨や強風に見舞われた。他の観客の視界を遮る傘の持ち込みは禁止されており、レインコートは必需品。周辺の旅館やホテルに逃げ込むこともできるが、会場内のキャンプ場でテントに寝泊まりしながら刻一刻と変わる天気と音楽を満喫している人たちも多くいた。

 

所々に設置された屋台では、新潟の食材を使った料理のほか、世界中の食べ物や飲み物が販売され、さながらフードフェアといった感じ。鮎の塩焼きやクレープまであった。

 

外国人たちが特に驚いていたのは、多くの来場者がいるのに、ゴミが散乱していないことだ。決められたゴミ捨て場に分別・回収されていた。

 

さらに、JFの取材に応じた英国のデジタルロックのパイオニアで、世界的に知られるケミカル・ブラザーズは、フェスの多くがスポンサーによる商品などの宣伝・広告に主眼が置かれているのに対し、主催者と観客、アーティストが協力してイベントを一緒に作り上げているのがフジロックの魅力だという。

 

 

息づくフェス精神

 

フジロックに魅了され、1999年から参加しているというエド・シモンズはJFに「フジロックが大好きだ。愛すべきフェスティバル精神が息づいていることに驚いている。参加できて光栄だ」と語った。

 

トム・ローランドは「ホント、フジロックは特別な場所さ。ほかのフェスとの違いは、このフェスには精神が生きている。何より、音楽を愛している人たちがこのフェスを動かしている。英国のグラストンベリー・フェスティバルを彷彿とさせ、演奏していて楽しい場所だ」と強調した。

 

フジロックは今年で23回目。台風6号の影響による悪天候で一部のイベントはキャンセルとなったが、主催者側の発表で13万人が参加し無事終了した。

 

来年は、2020東京五輪の後、パラリンピック直前の8月21日から3日間開かれる。世界で「特別な場所」のフジロックは、さらに注目されることになるかもしれない。

 

 

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